こんなおじさんにも青春時代があったんですよ(岡田達也) [無伴奏ソナタ2018]
ども、岡田達也です。
今回のお題は『無伴奏ソナタ』にちなんで「思い出の一曲」。
今はそんなに音楽を聞かなくなってしまったけど、僕だって若い頃は人並みに聴いていた。
だから思い出の詰まった曲はけっこうあったりする。
あれにしようか
これにしようか
悩んだ挙げ句、ちょっぴり恥ずかしい青春時代の一曲を。
*
僕は1968年生まれ。
当然iPod世代でも、CD世代でもない。
もちろんレコードだ。
レコードにはA面、B面がある。
アルバムの場合、片面に5~6曲が収録されていた。
好きなアーティストのアルバムを購入して聴く。
「A1はやっぱりこの曲か!」
「A3からの4の流れが好きだなぁ」
「B1にこれを持ってくるんだ」
「なるほど、オーラスはこの曲で締めるのね」
A面の何曲目が何なのか?
B面の何曲目が何なのか?
この、曲の配置ってのが、とても大切だった。
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大学時代、付き合っている彼女がいた。
彼女は僕の一つ歳下。
英語と音楽が大好きな彼女だった。
何しろ小学校5年生のときに『エルヴィス・コステロ』を聴いて衝撃を受けたというのだから、そのおマセ振りは半端ない。
彼女の将来の夢は「FM局のアナウンサーになって、自分の音楽番組を持ちたい」だった。
当時、開局したばかりの『FM802』でアルバイトを始めるなど、ちゃんと自分の行く先を見据えて行動していた。
一方。
僕はと言えば……
21歳にもなってやりたいことが見つからずフワフワしていた。
(50歳になった今でもそれは変わらないけど)
だから、大好きな彼女だったけど、心の片隅でちょっぴり嫉妬していた。
「どうしてその年齢で、自分の足元をしっかりと見つめられるのか?」
*
4年生になった夏、卒業したら東京に行くことを彼女に伝えた。
遠距離恋愛になる。
オマケに彼女は卒業後、いろんなFM局を受けると言っている。
東京に来られる確率なんてどれほどのものかわからない。
そんなこともあって、なんとなく、このお付き合いは続かないような気がしていた。
卒業を間近に控えたある日。
彼女は一本のカセットテープを僕にくれた。
背表紙に手書きで書かれたタイトルは『goody goody Melodey's』。
彼女のオリジナルセレクトで10曲入り。
特にUK好きだった彼女らしく、ネオアコを中心にギター・ポップな曲ばかりがセレクトされていた。
どれもこれもステキな曲だった。
僕は一人で聴きながら「彼女は、どんなことを考えながら、この曲順にしてくれたんだろう?」なんてことを考えた。
そしたらちょっぴり泣けてきた。
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そのカセットのA1にセレクトされていた曲。
Trashcan Sinatras
『Obscurity Knocks』
*
卒業して半年くらいは連絡を取り合っていた。
でも、やっぱり続かなかった。
彼女は卒業して『FM愛媛』のアナウンサーになったと共通の友人から聞いた。
僕は配送の仕事でトラックを運転していた。
運転しながら、彼女からもらったカセットをずっと聴いていた。
その半年後、僕はキャラメルボックスに入団した。
自分の夢を叶えた彼女。
自分のやりたいことが見つからず流されるように生きてきた僕。
あのときが間違いなく人生の分岐点で、
今の選択が正しかったのかどうかなんて僕自身にもわかならいけど、
そんなときに触れた曲だから、
30年経った今でも色褪せること無く残ってる。
*
『無伴奏ソナタ』には『シュガーの唄』という劇中歌がある。
その曲がみなさんの思い出の一曲になると嬉しいです。
お待ちしています。
では、また。
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