『ケンジ先生』西川浩幸。 [ケンジ先生2013]
火曜日の朝、雲り空の東京。西川浩幸です。
日曜日の早朝、2020年の夏季オリンピック大会の開催地が東京に決まりましたね。こんなにたくさんの人たちが両手を上げて喜んだりしているのを見るのは、本当に久し振りだなと思いました。その姿に、少しだけ涙が出ました。
その朝、東京には小さな虹が架かっていたそうです。虹が出ると、わ〜って気持ちになります。「にじだにじだにじじゃ」と口に出ちゃいます。
寝床で起きた瞬間に、スマホのニュースを確認して知った僕も「オッ」って声が出ました。
七年後のオリンピックは、少し未来にやってくる希望なのだと思いました。こんなにたくさんの人たちを元気にするものは、僕の回りには、最近他になかったですから。あまちゃん以外に。
僕たちはいま、希望や願いを物語や詩に託した宮沢賢治さんという、岩手生まれの作家をモデルにした『ケンジ先生』というお話を作っています。
楽しいお話にしたいと、日々みんなであーでもないこーでもないと頭をひねっています。僕らにできることは、作品を通して小さな小さな希望を描くことなのかもしれません。
さて。皆さんは、カーボベルデってご存知でしょうか?2014年サッカー・ブラジルW杯のアフリカ代表のひとつに決まった国です。
世界地図で言うと、アフリカ大陸の左側にある小さな島国です。人口約50万人。日本で一番人口の少ない鳥取県よりも、もっと人の少ない国です。
カーボベルデ。僕は正直知りませんでした。でも、FIFAのランキングは、日本よりも一つ上の36位なのです。
サッカーが好きだなんて言いながら、
まったく知らない国がW杯に出場することに、分かったつもりが一番いけないなと思ったのでした。カーボベルデは、盛り上がっているのかな。それを想像するとワクワクします。
その日のほぼ日手帳には、「パンは笑いをくれないし、サーカスは腹をいっぱいにはしてくれないものだ」と書いてありました。
いろんなものを同時に満たすものなんてない。だから、僕たちは、僕たちにできる小さな力を信じなくちゃいけない。そう思ったのでした。元気に笑顔でお芝居を信じなくちゃ。
『ケンジ先生』の稽古場は、人数が多くて酸素が薄くなっていると感じるほどです。小さな力をだって、たくさん集めればちょっとした力になるのだと信じて、今日の稽古に臨みたいと思います。
がんばんべ。
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