神戸です。
ホテルの冷蔵庫が冷えすぎて、悩んでいる坂口理恵です。

レタスが凍って、ロウ細工の見本みたいになりました。
オレンジ色のパプリカが、解凍したら熟した柿のようになりました。
……母は、こういう柿が好きです。
でも、私は嫌いです。
しかも、パプリカです。
ビールはキンキンに冷えてますが、ハムもチーズもキンキンに冷えています。
……そんなに冷えなくてもいいと思いました。
冷蔵庫チェンジ!

神戸は寒いです。
……冷蔵庫じゃなくて。
11月13日朝は強風でした。
「地球ちょい早く回ってる?」ぐらいの強風でした。
夜は雨がパラつきました。
そんな中、劇場は無風です。
いつだって、劇場は晴天です。
そして、舞台上は暑いです。
いつだって、汗だくです。

今日は「場当たり」です。
「場面を当たる」んですな。
ワンシーンずつ、止め止めでリハーサルをやるわけです。
もちろん、名古屋でもやりました。
「場当たり」どころか、本番もやりました。
それでも止め止め止めで、シーンごとにリハーサルするんですな。
名古屋は名古屋、神戸は神戸なんです。

神戸に来て、舞台の間口(広さ)が変わったし、
舞台のたっぱ(高さ)も変わったし、
客席も、3階席まであるし、
そうすると、見え方もだいぶ変わってくるし……で、
いろいろと、最初から見直すわけです。
照明さん、音響さん合わせて。
そんな、リハーサル祭りの一日。

役者も、いろいろ考えます。
「この劇場だと、オレここまで出て来ないと見えてなくね?」とか、
「この劇場の響きだと、オレの声、響きすぎじゃね?」とか、
「神戸来て、オレ太ったんじゃね?」とか、
いろいろと、作戦を立て直さねばならないわけです。

でも、そんな試行錯誤の「場当たり」中、客席はご覧の通り。
遙か彼方に、演出・成井豊がぽつり……。

どうです?
……淋しかろ?
広かろ?客席。
名古屋で「ワハハ!」と笑っていただいた瞬間も、
この客席だと、「シ――――ン」だ!
……修行か、これは?
そうだ、修行かもしれぬ!
ちなみに明日の「ゲネプロ(本番と同じ、舞台リハーサル)」も、
こんな感じになる。
……淋しかろ?

修行だな、修行なんだなこれは。
明日の夜、お客さんに会うまでの、
犬で言うところの「待て!」の状態なのだ!
……待つ。
淋しいが、待つ。
イイ子だから待つ。
本当に明日、この客席にお客さんが座って、
私たちを観てくれるのだろうか……?
待つ、……それでも不安。
初日はいつも不安。
名古屋で開けたけど不安。
神戸は神戸で不安。
不安だけど楽しい。
不安だけど負けられない。
絶対楽しむ!
そして、楽しんでもらう!
不安よ、さらばじゃー!

ああ、明日の夜、「待て!」は解除されるのでしょうか?


つづく