汗 (岡田達也)
ども、らくだに乗った王子さまこと岡田達也です。
「成功とは1%の閃きと99%の汗」
と言ったのはトーマス・エジソンだったろうか。
なるほど。
一読すると心強いフレーズに聞こえる。
誰だろうと汗を流すことができれば成功は手中に収まりそうだ。
が。
残念ながら、今、キャラメルボックスの稽古場にいる男優は「1%のセリフと99%の汗」で構築されている。
汗に関しては誰にも文句を言わせないほど流しているのだけど、残りの1%が問題だ。
「自由な閃き」と「セリフに縛られている」のとでは天と地ほどの差がある。
しかも「汗」には種類がある。
冷汗三斗(れいかんさんと)という四文字熟語はご存じだろうか?
「強い恐怖感を抱いたり、恥ずかしい思いをして、体中から冷や汗が流れること」。
つまり、今の稽古場に存在するのは、カロリーの消費によって生まれる「汗」と、演出家に怒られることや「次のセリフはなんだっけ?」という焦りによって生まれる「冷や汗」。
この二つが渦巻いているのだ!
ああっ!
あああっ!
同じ液体なのに……
同じ身体から発せられるのに……。
それなのに、何故こんなに違うモノなのか?
殺陣を練習することで出てくる汗も早いのだが、演出家の言葉に縮み上がって出てくる汗も負けないくらい早い(嘘だと思うなら稽古場に来てみなさい。Tシャツというのはこんな短時間で色が変わるのか?という珍しい光景を見せてあげます)。
だが!
偉大なる発明家であったエジソンは他にも名言を残していたと記憶している!
「失敗は成功の母である」
と言ったのもトーマス・エジソンではなかったか?
心強い。
実に心強い。
この理屈で言えば、人間、失敗なんていくらでもして良いのだ。
なんだか稽古場での失敗も許される気がしてくる。
だから、きっと、大丈夫だ!
我々が進んでいる道に間違いはない!
こいつは面白い芝居になる!
はずだ!
きっと!
たぶん!
観なさい。(Mの人用)
観てください。(Sの人用)
今日は「汗」について話を書いたので、松下電器の創始者、松下幸之助さんの名言を最後に。
(以下)
以前、どこかの会社の社長が「知恵ある者は知恵を出せ、知恵無き者は汗を出せ、それも出来ない者は去れ」と社員に言っていたことがある。松下はその言葉を聞くと「あかんな、つぶれるな」と言った。「本当は、まず汗を出せ、汗の中から知恵を出せ、それが出来ない者は去れ、と、こう言わんといかんのや。知恵があっても、まず汗を出しなさい。本当の知恵はその汗の中から生まれてくるものですよ、ということやな」
松下さん、今のキャラメルボックスの稽古場、湿度200%です!
成功する下地は整ってますよね?
では、また。
追伸
筒井くんへ
「あなたが好きな遊園地の乗り物は何ですか?」(観てない方、伏線ですぜ)
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