「スシ食いねェ!」。
僕の青春の一曲、シブがき隊のアヴァンギャルドなナンバーだ。
中学から高校へ上がろうとしていた思春期真っ只中のあの頃、「夜のヒットスタジオ」ではシブがき隊が全力で視聴者に寿司を勧めていた。
まだウブだった僕たちは、汗臭い男子校の教室で、色々な情報交換をしたものだ。

ある時ラジオを聴いていると、その我が青春のアヴァンギャルドソングが軽快に流れ始めた。
さまざまな嬉し恥ずかしが一気によみがえってきた。
とても楽しい気持ちになり、そばにいた後輩に、
「この曲、俺が15、6の頃流行っててさ、うわぁ、思い出すなぁ」
と言うと、
「すみません、まだ産まれてないっす」
と言われた。

青春はキラキラしてみずみずしいものだと思っていたが、ひどく古ぼけたものに感じた瞬間だった。


当たり前だけれど、舞台は生。
そこに、活きている人間がいる。

何百年昔のことであろうが、
何百年未来であろうが、
今。

三回目の無伴奏ソナタも、
とりあえずの一区切り。

また蘇らせることが出来たらと願おう。

そしていつまでもこの気持ちを大切にする。